コラム

「Omachi HITOTOKI PARK」でアーバンファニチャー×モルック体験【大町市中心市街地にぎわい社会実験】

2021.11.06
by | 佐久間 圭子

UDC信州がサポートをしている信濃大町100人衆プロジェクトでは、10/22~24の3日間に「大町のまちなかの未来を探る3日間 大町市中心市街地にぎわい社会実験」で主に7プロジェクトを同時開催し、地域内外からたくさんの方にお越しいただき、“あったらいいな”な未来を探ってみました。(レポートブログをご覧ください)

そのプロジェクトの一つに商店街の空き家・空き地を活用してチャレンジショッパーさんに出店をしてもらう「シャッターオープンプロジェクト」があり、人が憩える場所として「Omachi HITOTOKI PARK」という公園を個人的に出展してきたのでご報告いたします!

ちなみに、Omachi HITOTOKI PARKネーミングの由来は、
道ゆく人それぞれの一時を、
木の温かみを感じられる空間で
大切な人と、時にはひとりで過ごすことができる場所
を目指し、
一時、人と木、人・時の意味を込めてHITOTOKI PARKと名付けました。

Omachi HITOTOKI PARKを出展した空き地。奥の蔵が印象的な横長の場所。

Omachi HITOTOKI PARKを出展した空き地は、
傍目から見ると中心市街地のほぼ中央部に位置していておまけに南向きで明るくとてもいい場所。
にも関わらず、ずっと草ぼうぼうで立ち入り禁止状態。
打ち合わせなどで大町に行くたびに気になっている場所でした。
「ここでなにかできたらいいのにな~」
漠然と考えていたところに、
「次のシャッターオープンプロジェクトには空き家だけじゃなく空き地も追加される」と聞きつけたのでチャレンジショッパーとして出展してみることにしました。
ほかのショッパーさんたちと違い、売り物があるわけでもないので、立地を生かしたワクワクの提案に舵を切って企画することにしました。

アーバンファニチャーと Omachi HITOTOKI PARK

Omachi HITOTOKI PARKに設置したアーバンファニチャー。大きなAはテーブル。小さなAは椅子。椅子はスタッキングできる

これもシャッターオープンプロジェクトと同じく大町市まちづくり交流課定住促進係×東大×信大の共同研究「空き家の学校」の企画で、大学生を対象にした「アーバンファニチャー」に便乗をさせてもらい、Omachi HITOTOKI PARKにも大学生が考えたアーバンファニチャーでテーブルと椅子を設置することにしました。

 Omachi HITOTOKI PARKを担当してくれた3人の信州大学の学生さんは学科も年齢もバラバラ。予算5万円という制限の中、それぞれの得意を活かしてデザイン提案から制作まで、短期間にも関わらず何度もオンラインミーティングを重ねて検討してくれました。そしてとても素晴らしいテーブルと椅子が完成!

ここで使用した材は、地域材を扱う山川草木さんから購入させていただき、加工や組み立ては、古木を扱う工務店・山翠舎さんの加工場をお借りしました。
素人ばかりの制作だったので、何から何までご指導いただけたことに本当に感謝です。
設置されたアーバンチャニチャーを使ってごはんを食べている方がちょくちょくいらっしゃったのが印象的でした!

地域材で手作りモルック

大学生とのアーバンファニチャー制作と同時にOmachi HITOTOKI PARKの目玉コンテンツとして「モルック」を考えていました。

モルックとはフィンランド発祥のゲームで、12本の数字が書かれた木の棒を投げる用の木の棒を使って倒して競うシンプルであり奥が深い誰でも遊べるスポーツです。
やったことはなかったのですが、興味があっていつかやってみたいと思っていました。でも買うとなると6000円くらい。。。
そこで木崎湖あたりで林業を営まれている荒山林業さんにご協力をいただいて林地残材となっている梢の部分を格安で譲っていただき手作りすることにしました。
先に行くにつれ細くなる梢。荒山さんのアイデアで、その差を利用し、細いものは低い点数、太いものは高い点数にしてみました。
山から下ろしたての皮付きの木の加工はとても難しく、最終的には山翠舎 会長さん自ら加工をしてくださいました…!!!
投げる棒は最近ソロキャンを始めた市の職員さんが投げやすいようにツルツルにしてくださいました!
これで見た目もかわいいモルックの完成です!

実際に投げてみると当たった時の爽快感と「コン!」と響く音の良さでハマる方が続出!
2歳~高齢者までまさに老若男女が楽しむことができました。

まちなかにポケットパークはあるもののちょっとしたレジャーを楽しむことができる場所が少なく子連れのママ世代が子供と一緒に遊ぶ場所は少ないことも気になるポイントだったため、多くの親子が汗をかきながらモルックしている場面はとても新鮮でありこれから描く未来には当たり前の風景として加わってもらいたいな~と思いました。

空き地の周りの皆さんはどう思っているのか

暮らしている人にとってここはどういう場所なんだろう?

10月半ばに草ぼうぼうだった空き地を綺麗にする作業を黙々としている時に道ゆく方からたくさん声がけをしてもらいお話する機会がありました。
「人が憩える場所にしていくつもりです~」という説明をすると大抵「ここは街の中でも一番いい場所だからね」という返答が何人ものご近所さんから返ってきました。
私たちのような外部の人間も、そこにずっと暮らしている方もそう感じている場所だったこの空き地。
今回はアーバンファニチャーとモルックでしたが、他にもたくさんの可能性を秘めており、みんなと考えていくにはいいとっかかりのような場所であることがわかりました。

全て撤収したあとの元Omachi HITOTOKI PARK

自分ごとで関わってみると、まちを見るときの視点が増えるだけでなく、思いがけない出会いにつながることで多くの自分ごとにしてくださる方が増えていくことの楽しさがありました。
憩える場所になってくれたことでホッとしたと同時に、本当にたくさんの公民学の方々にありとあらゆる場面で助けていただいたことに心から感謝です。

これからの大町はより楽しみになりました!

引き続きみなさんご注目ください!

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