まちづくりセミナー

2023年8月25日
by | 羽生田 彩乃

【報告】第14回まちづくりセミナー「金沢市に学ぶまちづくりの取り組み」を開催しました!

8月18日(金)に金沢市で「金沢市に学ぶまちづくりの取り組み」と題して、県内市町村職員向けのセミナーを開催しました。

UDC信州では、市町村から「自転車(シェアサイクル)、河川敷、遊休地等を活用したまちづくり」の相談が寄せられることがあります。そこで今回は、千曲市総合運動公園河川敷エリアの活用を検討している千曲市の職員、シェアサイクルの試行から実装への検討を行っている上田市の職員等、総勢約20名で視察を行いました。

視察先の金沢市は、シェアサイクル事業をはじめとし、かわまちづくり事業や公共空間の活用など官民連携で取り組まれています。

まずは、公共シェアサイクルサービス「まちのり」に乗ってまちなかへ。統一されたサインで専用レーンが整備されているところも多く、車を気にしすぎず安心して走ることができました。学識、行政、警察機関等による「金沢自転車ネットワーク協議会」にて協議を重ねた結果、専用レーン整備やサイン統一が実現できているとのこと。まちの何かを変えるには、議論からあらゆる立場の関係者を取り込み、課題を共有しながら、少しずつ合意形成をしていくことが大切なのだと感じました。

・公共シェアサイクルサービス「まちのり」

https://www.machi-nori.jp/

金沢市役所へ移動し、金沢市のご担当者様から、公園や広場などの公共空間活用モデル事業「マチノバカナザワ」、河川空間利活用社会実験「サイガワリバーサイドアクト」、歩行者と公共交通を優先するための「駐車場附置義務の緩和」についての概要や背景、運営などについて詳細なご説明をしていただきました。

公共空間の日常的な活用は、まちの人に「この空間ってこんな風に使えるんだ!」という意識を持ってもらうことが第一歩だと思います。金沢市の事例では、ハード整備から始めるのではなく、まずはその場所の可能性を知ってもらうためのソフトな取り組みをコツコツと実施されているのが印象的でした。

・マチノバカナザワ

https://www4.city.kanazawa.lg.jp/soshikikarasagasu/kikakuchoseika/gyomuannai/1/2/1/6859.html

・サイガワリバーサイドアクト

https://www4.city.kanazawa.lg.jp/soshikikarasagasu/kikakuchoseika/gyomuannai/1/2/1/6861.html

・駐車場附置義務の緩和

https://www4.city.kanazawa.lg.jp/soshikikarasagasu/kotsuseisakuka/gyomuannai/1/4/8000.html

次に、国登録有形文化財「犀川大橋」へ。犀川では、前述の「リバーサイドアクト」、犀川大橋をカフェとする「犀川リバーカフェ」など官民連携で実施しています。

「犀川リバーカフェ」は、道路の維持管理に協力する団体である「道路協力団体」の指定を受けた団体により実施されています。道路協力団体の特徴は、維持管理にかかる費用を捻出するための収益活動を道路上で実施できることです。リバーカフェ実施時には、犀川大橋手前のポケットパークに飲食ブースが出店するそうです。橋にはドリンクを置くためのカウンターも取り付けられていました。犀川を眺めながらビールが飲めたら最高でしょうね・・・

維持管理活動として、犀川大橋の清掃活動などを実施されているそうです。犀川大橋や犀川をこれからもずっと愛される場所に、という地元の方の思いが感じられる場所でした。

その他、今後のあり方が検討されている日本銀行金沢支店跡地、2022年にリニューアルオープンした石川県立図書館などの視察を行い、日々試行錯誤されているまちづくりの現場を間近で見ることができました。

視察先のご協力もあり非常に充実したセミナーとなりました。視察先で得たヒントを、長野県内のまちづくりにどう活かしていくか考ていきたいと思います。

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