その他

2022年9月16日
by | 橋本 悠介

「信州地域デザインセンター(UDC信州)シンポジウム2022」を開催しました!

たくさんの方に参加していただきました!

去る9月12日に小諸市のステラホールにて、初のリアル開催(しかもオンラインとのハイブリッド!)となる「信州地域デザインセンター(UDC信州)シンポジウム2022」を開催しました!
当日は会場が54名、オンラインの事前申込みが75名の総勢約130名もの方々にご参加いただきました。ありがとうございました。

UDC信州の発足以降、これまで県内の市町村から約60件の相談をいただいてまいりました。その内容は、「市街地や駅前の再生」「公共交通の維持・再編」「公有地・公園の利活用」等、テーマは様々ですが、共通するのは「どう進めればいいか、プロセスが分からない」という悩みでした。
そこで、今回のシンポジウムでは、まちづくりを進めていく上での“プロセス”と、その過程で重要となる“しくみ”について議論を行うこととし、今年度のテーマを「プロジェクトを生み出す“プロセス”と“しくみ”」にしました。

当日配布した次第

初のリアル開催なので現地でしかできないことを!ということで、午前中は小諸市さんの社会実験の一環として毎週土曜日に中心市街地で運行している「グリーン・スロー・モビリティ(egg)」を特別運行していただき、皆様に体験していただきました。また、ポータルサイトやデジタルサイネージ等も稼働しており、これらについてもご覧いただけたことと思います。

小諸市の社会実験の詳細はコチラをクリック。

午後は、いよいよシンポジウムの開幕です。まずは、開催都市として⼩泉 俊博 ⼩諸市⻑にご挨拶をいただきました。⼩泉市⻑からは、行政だけが進めてもうまくいくところはなく、官民連携でその場にあったやり方で進めることや、コロナ禍を理由にせずこれをチャンスと捉えて長野県全体が発展していってほしいなど、小諸市長のまちづくりに対する強い思いを語っていただきました。

⼩泉 俊博 ⼩諸市⻑による開催都市あいさつ

続いて、別の公務により出席がかなわなかった阿部 守一 ⻑野県知事による挨拶をビデオメッセージにて放映しました。阿部知事からは、これからは女性や若者から選ばれる地域、居心地の良い空間をどう作るか、活力や潤いがある街をどのように作っていくかが重要であるということ、また、行政だけでは進めることはできず、地域の人と共創したまちづくりをしていく重要性などについて語っていただきました。

阿部 守一 ⻑野県知事によるビデオメッセージ

ここから、シンポジウムの本編に入っていきます。

まずは、出口 敦 UDC信州センター⻑による「公・⺠・学連携で育てるプロジェクトと創り出す仕組み」の講演です。この講演では、全国のUDCの紹介から始まり、コロナ前後で自宅周辺での活動が増えたこと、都市のアセットの利用の重要性などについて説明いただきました。その後、公・民・学が連携しているUDCKの取り組み事例として、整備した駅前広場や歩道の管理の仕組み、かけだし横丁の取り組みを紹介されました。そして、まちづくりはチーム力という大きな言葉の中で、公・民・学それぞれの役割、専門家の役割について、また、プロジェクトを進めていくうえで、よりどころとなるビジョン、およびそのビジョンを作っていくプロセスの大切さをお話しいただきました。

アンケートでも「かけだし横丁が誕生するまでのプロセスなど、具体例がありイメージしやすかった」、「まちづくりにおいて、検討段階における座組みの重要性と、お試し企画とその効果測定など、公・民・学の枠組みで取り組むべき事項が具体的に理解出来た」など、とても多くの反響がありました。

出口 敦 UDC信州センター⻑による講演

続いて、「UDC信州の令和3年度の活動について」と題した、UDC信州の活動報告を倉根 明徳 コーディネーターから説明いたしました。UDC信州がどのようなことをしているか、どのくらい支援してきたか、また、UDC信州の3つの活動である「支える」、「育む」、「発信する」についての概要と、特に「支える」のプロセスとサポート内容について事例を交え説明しました。こちらもアンケートで「UDCの位置づけやUDCがどういう事をしているのかがよく分かった。」、「UDC信州の事をあまり知らなかったので、これから是非ご相談したいと思いました。」など嬉しいお言葉をいただきました。引き続き、様々な支援を行って参りますのでよろしくお願いします。また、ご相談等ございましたら、お気軽にお問い合わせください!

倉根 明徳 コーディネーターによる活動報告

そして、最後に「まちづくりのプロセスからみた“つながりの場”とは︖」と題した、UDC信州が支援させていただいている2都市の担当の方々とUDC信州によるパネルディスカッションです。パネリストは開催都市である小諸市の五⼗嵐 均 ⽒(⼩諸市都市計画課 係⻑)と諏訪市の茅野 早映子 ⽒(諏訪市都市計画課 主査)、UDC信州は河原 輝久(UDC信州 チーフコーディネーター)で、ファシリテーターは、林 靖人(UDC信州 副センター⻑)にて行いました。
まずは小諸市と諏訪市から15分程度で各々のまちづくりの現状や経緯、取り組みなどについて説明いただいたうえで、林副センター長のファシリテートでディスカッションを進めていきました。かなり具体的な事例についてあげていただき、深い議論となりました。

ディスカッションは会場へも広がり、会場側からは以前UDC信州にも所属していたUR都市機構の中平氏より、「進めていくうえで、手段が目的化しやすいので、目的に対して何を説明してどのような成果を出さなければならないかを見失わないように、エビデンスをとることが重要である」というコメントもいただきました。

林副センター長からは「地域の方は、生活圏や目的によって地域間を動いており、居心地の良さなどは市町村境で分断されるものではない。ここに連携する必要性があり、市町村間でやりにくいことがある場合は県が調整することとなるが、県でもやりにくいこともある。そのような中で、公・民・学が連携することでそれぞれの役割を活かし、それぞれの立場だからこそ言うことができる」といった、公・民・学の連携がなぜ必要かということや、「つながりが大事ということは皆さん分かっているが、主観的であり、見える化されることで変化したという実感が伴う。プロセスにおいてつながりの場がなぜ大事なのかは、イノベーション(従来の技術革新、社会革新などは誤訳であり、本来は「新結合」という意)であり、つながりがあるからこそ新しいものが産まれるからである。今回のようにつながりをどのようにデザインしていくか、この部分を今後UDC、市町村においてアップデートしていければ、今やっていることの実行力が上がり、また、伝わらなかったものが伝わるようになるのではと感じる。」など、今後まちづくりを進めていくうえで重要な考え方について、まとめていただきました。

この具体例をもとにしたパネルディスカッションは、皆さんの関心も高く、アンケートではもっと時間があってもよかったなどのご意見をいただきましたので、今後の改善点としていきたいと思います。

小諸市さん、諏訪市さん、UDC信州、林副センター長によるパネルディスカッション

最後にラップアップおよび閉会の挨拶を、三牧 浩也UDC信州 副センター⻑に行っていただきました。

皆様のご協力のおかげで、定刻どおり無事終わることができました。ありがとうございました。

三牧 浩也 UDC信州副センター⻑によるラップアップおよび閉会の挨拶

アンケートも多くの皆様にご協力いただきました。ありがとうございました。
特に、「事例が役に立った」「事例が具体的でよかった」「市町村担当の意見が聞けて貴重だった」という意見が多く見られたので、今後のセミナー開催などに際して参考とさせていただきます。
また、今回初のハイブリッド開催で、配信音声の乱れなどありご迷惑をおかけしました。引き続き、改善に努めてまります。

皆様からいただいたご意見をもとに、来年度のシンポジウムをより良いものにしていきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いします!

With us