千曲市をエモく、映える場所に?!シェアサイクル試乗後の大学生のリアルな意見交換会
長野県の東北信エリアで「しなてつ」の愛称で親しまれている、しなの鉄道。その沿線の千曲市と上田市では、地域をもっと楽しんでもらおうと、広域シェアサイクルの社会実験がスタートしています。
(プレスリリース)「上田市・千曲市 広域シェアサイクル社会実験」
千曲市でもこの社会実験の一環として、長野県立大学グローバルマネジメント部起業家コースと清泉女学院人間学部文化学科の学生さんとともにプロジェクトを進めています。
第一回目では、大学生が千曲市で見たいものや食べたいものをマッピングし、シェアサイクルの試乗コース案を作りました。第二回目ではそのコースを実際にシェアサイクルで走ってみました。第三回目となる今回は、前回の試乗を振り返ります。
まずは本音で、シェアサイクル試乗の感想を教えてください!
ーーー試乗コースでは、朝8:30にしなの鉄道戸倉駅に集合し、シェアサイクルを借りて千曲川沿いのサイクリングロードや一般道(トータル約20キロ)を2時間半かけて走りました。途中、棚田までの急坂も登り、最後に戸倉上山田温泉で足湯に浸かりました。改めてみなさんの感想を聞かせてください。
よしいけ「サイクリングロードが楽しかったです。あの道がずっと続いていたら最高!」
はなちゃん「楽しかったけれど、棚田への登り坂は想像していた以上に大変でした。まだ登り坂が終わらない…って。」
ゆったん「疲れたけれど、あんずソフトが美味しかったし、足湯も疲れた足にしみた。いい運動になりました。」
よっしー「温泉街を見る時間があまりなかったので、戸倉駅スタートで、温泉街周辺を散策するだけでもいいかも。」
シェアサイクル、走り出すまでに課題がたくさん…
ーーーーみなさん人生初のシェアサイクルでしたが、乗るまではスムースでしたか?
- シェアサイクルを借りる際、説明が文章だけでは不十分。
- アプリをスマホにダウンロードするのは面倒だった。
- クレジットカードでの支払いは大学生にとってはハードルが高い。
- 電動アシストの使い方がわからなかった。
- 走っていても道がわからない。スマホホルダーがあれば、自転車に乗りながら地図が見れる。
- バッテリーがいつなくなるのか目安が欲しい。
しなの鉄道戸倉駅、○○すればエモくなる?!
ーーーーしなの鉄道戸倉駅で集合しましたが、駅前はどんな印象ですか?
- 駅前に観光案内も少なく、お店もなく、観光客が駅で降りることを想定していない感じがした。
- 観光会館でさえ、駅から離れているので不便。
- しなの鉄道沿線地域の回遊性を求めるなら、駅前の充実は必須。
- 電車を待つ間にやることがない。座って食べられるご当地スイーツなどを販売するのは?
- 帰りに寄った駅の近くの喫茶店は昔ながらの雰囲気でよかった。
しなの鉄道の戸倉駅は、北陸(長野)新幹線が開通する直前の1997年まで、上野駅と長野駅を約3時間で結ぶJR特急あさまの停車駅でした。特急あさま最盛期の1993年3月の時刻表改正時点では20往復走っており、そのほとんどが戸倉駅にも停車してようです。その頃はきっと多くの観光客が戸倉駅に降り立ったと想像できますが、特急あさまが終了してからはローカル線の一駅となり、乗降者数は毎年減少傾向です。
千曲市の温泉街に生まれ、信州千曲観光局に勤める山崎さんは「観光に来られる方は、今は車利用がほとんど。新幹線の通る上田駅まで旅館のバスが迎えに行くことも多い。特急あさまが停まらなくなってからは、店も少なくなり静かに暮らしている人たちが多くなっている」とおっしゃいます。
そんななか、「駅前のアーチをエモい感じのネオンにすれば映える」という、大学生ならではの意見も出ました。エモいは「昔ながら」「懐かしい」「感傷的」「感動的」「ノスタルジック」「趣がある」などの意味を込めて使われます。大学生の感性としては、「昔ながら」と「寂れている」は紙一重だそう。
棚田を登るコース、大学生にはアリでした?
ーーーー棚田までは最高勾配率11%の急坂でしたが、苦労しましたか?
- 試乗コースを計画したときはもっと緩やかで短い坂だと思っていた。
- 電動アシスト付きだったので、普段登ろうとしない坂も登れた。
- 登り坂は大変だったけれど、景色がよかったので達成感があった。
- 下り坂はスピードが出すぎて怖かった。
少し意見が分かれましたが、総じて棚田への登り坂は大学生にとっても大変だったようです。シェアサイクルは各ポートで貸し借りが自由にできるので、棚田の近くに位置するJR姨捨駅のポートでシェアサイクルを借りて、下り坂だけ利用するのもいいですね。
温泉街とシェアサイクル、相性はどうでしょう?
ーーーー今回は試乗の最後に足湯に浸かり、名産でもある杏のジャムがたっぷり乗ったソフトクリームをいただきました。
- 足湯と自転車は相性がいい!癒された!
- 温泉街にあんずソフト以外何があるかわからない。観光客にとっては案内が不十分。
- 温泉街はスナックと温泉宿しか見つけられなかった。夜はお酒を飲むと自転車乗れない。
インスタ映え、スナック、レトロ…大学生が求めるコンテンツとは?
ーーーー大学生が遊びにくるには、どんなコンテンツがあれば来てみたいと思うでしょうか?
- 上山田温泉開湯の民話「恋しいの湯伝説」に100個の赤い石が登場することから、各スナックで赤い石にちなんだカクテルを出してみては。
- 小道のスナック街が雰囲気いいので、スナック何軒か飲み歩いてみたい。
- 地元の人と一緒にスナックを体験してみたい。
- スナックは敷居が高い。おしゃれなバーがあれば行きたい。
- あんずソフトのように、ふらっと行って、食べられるものがいくつかあるといい。レトロな街並みを背景に写真をとったら映える。
- 古着屋さんがあれば、レトロと相性がよさそう。
シェアサイクルの料金について、現状は30分ごとに110円または1日パスで1650円ですが、大学生のお財布事情としていくらくらいだったら借りたいと思いますか? という問いに、「半日で500円などワンコインだったら印象はいいけれど、コンテンツがよければ少々高くても出せる」という回答も大学生から出ました。
次回は大学生がわざわざ行きたくなるモデルコースを発表します!
今回は試乗を体験したからこそのリアルな意見がたくさん出て、時間ギリギリまで盛り上がりました。次回はいよいよ最終回。学生さんたちに、大学生がわざわざ行きたくなるようなコンテンツ、イベント、周遊方法などを盛り込みながら、シェアサイクルのモデルコースを発表してもらいます!