上諏訪駅周辺のミライを考える講演会に参加しました!
4月29日(火)に諏訪市で開催された「上諏訪駅周辺のミライを考える講演会:構造と情景から考える都市のデザイン」に参加してきました。会場は諏訪市駅前交流テラスすわっチャオで、ゴールデンウィークの序盤でしたが、会場には大変たくさんの人がお越しになっていました。

講演会に先立ち、諏訪市まちづくり整備課の茅野さんから、まちづくりの状況報告がありました。諏訪市では、JR上諏訪駅西口と諏訪湖畔を結ぶ市道「柳並(やんなみ)線」が完成し、今夏に開通が予定されている諏訪湖スマートICと上諏訪駅が結ばれていきます。この動きに関連し、諏訪市では上諏訪駅西口の整備を予定しています。
整備対象は駅の西口ですが、西口だけでなく、東口や周辺土地など全体像を含んだ検討をしたうえで基本構想を策定していくとのことです。並行して、市民とのワークショップや社会実験も実施、2025年度には2回のワークショップを予定しています。そしてこの「上諏訪駅周辺のミライを考える講演会」はもともと1月に開催したワークショップとあわせて実施される予定でしたが、講師大藪さんのインフルエンザ罹患により、4月29日に延期となっていました。
まちづくり整備課茅野さんからの報告のあと、モデレーターの西尾京介さんのご紹介を挟み、大藪さんの講演会がスタートしました。大藪善久さんは、株式会社SOCI(ソウシ)の代表を務め、全国のパブリックスペースのデザインを手掛けています。大藪さん曰く、様々な場作りをする設計事務所とのこと。大藪さんの独立前の設計事務所時代の実績として、姫路市、松山市、豊田市、堺市、沼津市などの実績があり、様々な人口規模やスケールの公共空間をデザインされてきています。


講演では、姫路市、豊田市、沼津市の事例についてお話をいただきました。姫路市は、姫路駅前の歩行者空間化により、専門車両しか駅前に入れないトランジットモール化を行ったことや、合わせて照明の工夫や地域の文化に沿ったレンガ積みなど細部までこだわった公共空間デザインについてご紹介いただきました。
豊田市は、道路区域を外して豊田市の一般財産にした土地による「新とよパーク」の説明を頂きました。市民有志によるマネジメントで焚き火までできる公共空間であり、市民の要望を受け止めながらともにつくる「ハーフメイド」形式でつくられたとのことです。
沼津市は、「OPEN NUMAZU」という市民との社会実験の取り組みについてご紹介をいただきました。沼津は計画の前にまちづくりシナリオをつくり、ステップごとにまちづくりのシナリオ(戦略)を描いたことがまずベースにありそれに加えて、まちづくりを「アジャイル的に検証するシステム」として「OPEN NUMAZU」という社会実験の取り組みをされているとのことです。具体的には、駅前道路や商店街に、滞在したくなる什器を設置したり、イベントを開催しながら、ヒト中心のまちなかを創り出していく取り組みとのことで、現在も引き続き実施されている施策であり、市のHPにも取り組みが掲載されています。OPEN NUMAZU 2024
3市いずれの例も、シナリオやステップを計画し進めていく戦略的な取り組みが重要であるとのことでした。
講演のあとは、LiveQというアプリを介して質疑応答が行われました。駅にまちを集約することの是非、湖畔の景色が見られる価値は理解しつつ、中高層の建物をまちなかに建築することの是非、学生と進めるまちづくりの方法など、20分近くにわたり活発な質疑応答が行われました。
大藪さんいわく、諏訪市ほど面白いまちはない!ということで、歩いて回遊できるポテンシャルにあふれたまちであり、並木通りなどは美しく住民の方の手入れもあり、まちづくりの仕事で全国を見てきた中でもトップクラスの素敵な通りであるという話もありました。
UDC信州は、諏訪市のエリアプラットフォームや上諏訪駅西口整備など事務局支援を行っていますが、大藪さんのまちの読み解きや、景観的視点なども踏まえてまちづくりに協力していきたいと感じた機会でした。



