まちづくりセミナー

2020年10月26日

Vol.3まちづくりセミナー「ウォーカブルエリアの創造と新たなまちづくりプロセス」

【報告】

10月26日(月)にUDC信州主催の「まちづくりセミナー」を開催しました!

 この「まちづくりセミナー」は、まちづくりに携わる担い手の発掘・育成を目的として、定期的に開催しているセミナーで、今回で3回目となります。
 前回、新型コロナウィルスの影響もあり、完全オンラインで開催したところ、参加者からは「セミナー会場までの移動時間が省略できて効率的」や「アーカイブ配信による視聴時間の自由度が増えた」など好意的なご意見を頂くことができ、前回に引き続き、完全オンラインで開催することとなりました。
 まだまだオンラインの運営面での課題もありますが、今後も試行錯誤しながらセミナーを企画していきたいと思いますのでよろしくお願いいたします!

 今回のテーマは「ウォーカブルエリアの創造と新たなまちづくりプロセス」。都市のまちなか再生やプレイスメイキング、水辺空間のリノベーション、温泉街の再生など全国各地で様々なプロジェクトを手がけている有限会社ハートビートプランの泉英明氏を講師にお招きし、これまでの「つくる目線」のまちづくりから、「つかう目線」のまちづくりにシフトしていくにはどういった視点が必要か、また、具体的にどのように進めていくことが重要か、などを実例を交えながらお話していただきました。

「つかう目線」のまちづくりプロセス

 泉さんからは、3つのプロジェクト「北浜テラス」「なんばひろば改造計画」「長門湯本温泉観光まちづくり」を中心にまちづくりプロセスについてお話いただきました。
「北浜テラス」・・・大阪の新たな風物詩として水辺に賑わいをもたらすことを目的に、北浜地域のテナントや建物オーナー、NPO、住民などからなる北浜水辺協議会が実施するもので、2009年、日本で初めて任意の地域団体で占用許可を受け、川床の常設化を実現したプロジェクトです。
「なんばひろば改造計画」・・・南海難波駅前の駅前広場を車中心から「歩行者を中心とした賑わいある空間にする」駅前広場の再整備計画です。
「長門湯本温泉観光まちづくり」・・・山口県長門市にある長門湯本温泉街の再生を目的に、地域と民間事業者、行政とが一体となって観光まちづくりの推進に取り組んでいるプロジェクトです。

 3つのプロジェクトに共通していることは、これまでとは異なる新しいプロセスです。
 これまでのまちづくりは、「つくる目線」のプロセスで、ビジョンづくりに運営主体が入っていないことが多く、計画しても事業が立ち上がらない、つくっても使われないハードとなっているのが実情です。
 これからのまちづくりとしては、「つかう目線」のプロセスが望ましく、初めから運営・マネジメントする主体を加えて一緒にビジョンをつくり、LQC(Lighter,Quicker,Cheaper:簡単に、素早く、安く)での社会実験により事業性の確認を行なったうえで、使われるものをつくっていくことが必要と話されていました。
 また、ビジョンづくりにおいても、地域の課題解決としてでなく、未来の面白いこと・ワクワク感を重視してつくっていくこと、エリアならではの価値(資源や使い手、空間、運営のイメージ)をもって「Why」(意図)と「What」「Where」(要素)を描き、皆で共有していくことが重要であると話されていました。

 お話を聞く中で印象的だったのは、「小さな投資⇒蓄積⇒エリアの価値向上」。一部の民間や地域の人たちから始まったプロジェクトでも、皆でビジョンを共有し、LQCの社会実験などをまずやってみる。それが蓄積していくことで、エリア全体の価値向上につながっていくとのことでした。
 行政が主体となって計画を策定していく場合、どうしても課題解決を優先してしまうことや「Who(誰が)」「When(いつ)」「How(どうやって)」に縛られてしまうことで、プロジェクトが形にならないことが多々あります。行政だけでなく民間や地域の方も一緒になってビジョンを描き、「まずはやってみる」ことで、検証しながらマスタープランに落とし込んでいくことが重要であると感じました。

 UDC信州が現在支援している案件においても、まちの将来ビジョンを描こうとしている市町村がたくさんあります。今回のセミナーで学んだことを活かして、ワクワク感を持って一緒にまちづくりを考えていければと思います!

この記事に関連するタグ

With us